
タンザナイト黝簾石ブルーゾイサイト
タンザナイトは、青と紫が揺らぐ強い多色性を持ち、神秘的な輝きで知られる宝石です。精神性と洞察力を象徴し、近年最も人気の高い青紫系ストーンのひとつです。Tanzanite(宝石名)、Zoisite(鉱物名)
基本情報
タンザナイトは世界でタンザニアにほぼ限定される唯一無二の宝石である。多色性と青紫の輝きが特徴で、高級宝飾品としても非常に人気が高い。
- 正式名称
- Zoisite(ゾイサイト)
- 和名
- 黝簾石
- 英名
- Tanzanite(宝石名)/Zoisite(鉱物名)
- 別名/流通名
- ブルーゾイサイト
- 主な産地
- タンザニア(メレラニ) :
- 世界唯一の大規模産地であり、タンザナイトは事実上タンザニア一国のみで産出する極めて希少な宝石である。青と紫の揺らぎが美しい結晶が多く、宝石質として世界的に高く評価される。特に「Dブロック」は濃色・高透明度の最高級品が産出し、国際市場で非常に高値で取引される。タンザナイトは産地名を冠するほどブランド化され、1960年代後半にはティファニーが「Tanzanite」の名を広めたことで宝石としての地位を確立した歴史がある。
鉱物情報
タンザナイトは比較的硬度が高いが、へき開が明瞭なため衝撃に弱い。色の変化が魅力の鉱物で、光源によって印象が大きく変わる。
- 組成
- Ca₂Al₃(SiO₄)₃(OH)
- 比重
- 3.10〜3.38
- 硬度
- 7
- 結晶系
- 斜方晶系
- 透過性
- 透明、半透明
宝石質は透明度が高いが、産地によっては半透明の標本も産出する。青・紫・赤褐色が角度によって変化する多色性が顕著。
- 蛍光性
- 弱い(青、白)
- 蛍光色
- 青、白
宝石質は透明度が高いが、産地によっては半透明の標本も産出する。青・紫・赤褐色が角度によって変化する多色性が顕著。
- 取り扱いの注意点
- 熱に弱い
- 衝撃に弱い
- 化学薬品に弱い
特徴と由来
タンザナイトは強い多色性と青紫の輝きで「一生に一度の宝石」とも呼ばれる。希少性が高く、宝石市場でも長年高い人気を誇る。
- 色
- 青紫透明
- 外観の特徴
- 透明度が高い青〜青紫の宝石で、多色性によって角度によって紫・青・赤褐色が現れる。カットすると非常に強い輝きを放つ。
- 生成環境/形成過程
- 高温高圧の変成作用で形成され、長い地質時間を経て特定の地層でのみ育つ。結晶構造が複雑で、自然界で生成される条件が非常に限られる。
- 発見/命名の由来
- 1967年にタンザニアで発見され、ティファニーが「Tanzanite(タンザナイト)」と命名し宝石として世に広めた。
- チャクラとの関連
- 第6チャクラ(サードアイ/藍・紫)
- 誕生石
- 12月
- 星座石
- 魚座
- 干支石
- 卯
- 希少性
産地が極めて限定されており、高品質品は年々採掘が減少しているため希少価値は非常に高い。
歴史/伝承
タンザナイトは1967年に発見された比較的新しい宝石であり、古代の伝承は存在しない。そのため「古代の伝承は確認されていない」が、青紫の石が精神性を象徴する文化的背景から、発見当初よりスピリチュアルな宝石として注目された。
現地のマサイ族の間では、タンザナイトの青紫色は「人生の変化を象徴する色」とされており、出産や人生の節目に贈られる慣習が生まれた。マサイ族はこの石に「夜の空の色」が宿ると信じ、未来への希望を託したと言われている。
その後、ニューヨークの宝飾店ティファニーが「タンザナイト」という名称をつけ、世界に広める大々的なプロモーションを行ったことで一気に知名度が上がった。深い青紫の美しさから「この世で最も美しい青」と称され、現代でもジュエリー市場の中心的存在となっている。