
サードオニキス紅縞瑪瑙
サードオニキスは赤褐色のサード(Sard)と白色のオニキス(縞瑪瑙)が交互に重なった瑪瑙の一種です。古代から「夫婦の幸せ」「友情の絆」を象徴する石として大切にされ、8月の誕生石としても知られています。
基本情報
サードオニキスは古代から宝飾や護符に利用されてきた歴史ある石で、特にインドやドイツでは文化的価値も高い。
- 正式名称
- Agate(アゲート)
- 和名
- 瑪瑙
- 英名
- Sardonyx
- 別名/流通名
- 紅縞瑪瑙
- 主な産地
- インド :
- 古代からビーズや護符として加工され、赤と白の縞模様が鮮明な高品質品が多い。
- ブラジル・ウルグアイ :
- 大ぶりで鮮やかな赤を持つサードオニキスが産出。ジュエリー用として人気。
- アメリカ(カリフォルニア州) :
- 19世紀以降に採掘が盛んとなり、カメオや印章に利用された。
- ドイツ(アイダル=オーバーシュタイン) :
- 研磨技術の中心地として、古代以来サードオニキスを用いたカメオ細工が盛んであった。
鉱物情報
サードオニキスは硬度が高く装飾品として丈夫だが、縞の層がはがれやすいことがあり注意が必要である。
- 組成
- SiO₂(二酸化ケイ素)
- 比重
- 2.60〜2.65
- 硬度
- 7
- 結晶系
- 六方晶系
- 透過性
- 蛍光性
- 取り扱いの注意点
- 衝撃に弱い
- 化学薬品に弱い
- 熱に弱い
特徴と由来
サードオニキスは赤と白のコントラストが美しく、友情や夫婦愛の象徴として親しまれてきた石である。
- 色
- 赤オレンジ白茶
- 外観の特徴
- 赤褐色の層と白色の層が交互に重なり、コントラストが鮮やか。縞の幅や色合いによって個体差が大きい。
- 生成環境/形成過程
- 火山岩の空洞に沈殿したシリカに鉄成分が含まれ、赤褐色のサードを形成。白色部分は純粋なシリカが層状に沈着してできる。
- 発見/命名の由来
- 赤褐色の「サード(Sard)」と縞瑪瑙の「オニキス(Onyx)」を組み合わせた名称。
- チャクラとの関連
- 第2チャクラ(セイクラル/オレンジ)
- 誕生石
- 8月
- 星座石
- 獅子座
- 干支石
- 酉
- 希少性
比較的多く産出するが、美しい縞模様を持つ個体は人気が高く、宝飾用として安定した需要がある。
歴史/伝承
古代ローマでは、サードオニキスは友情と夫婦愛の象徴とされ、結婚式の贈り物として広く用いられていた。特に赤と白の縞は「愛と純潔の調和」を表すとされ、新婚夫婦に贈られることが多かった。
古代エジプトでも装飾品として人気が高く、墓からはサードオニキスのビーズや指輪が発見されている。太陽神ラーの加護を受ける石とされ、魔除けや繁栄の象徴と信じられていた。
中世ヨーロッパでは、教会や王族の宝飾品に利用されただけでなく、友情の証として友人同士がサードオニキスを交換したという記録も残る。修道院では祈りの際に集中力を高める石として重用された。
近代以降は「8月の誕生石」として定められ、夫婦円満や友情の象徴として宝飾品に広く利用されるようになった。現在も結婚記念日や友情の贈り物として人気が高い。
