
クロシドライト青石綿
クロシドライトは、鮮やかな青色をもつ繊維状の角閃石鉱物です。鉱物学的には重要な存在ですが、装飾用途やパワーストーンとしての利用は限定的です。
基本情報
クロシドライトは産業史と深く結びついた鉱物であり、現在は主に学術的・標本的価値が中心である。
- 正式名称
- クロシドライト
- 和名
- 青石綿(あおいしめん)
- 英名
- Crocidolite
- 別名/流通名
- -
- 主な産地
- 南アフリカ共和国 :
- 最も著名な産地。長く均質な繊維状結晶が産出し、かつては工業用石綿として大量に採掘された。現在は鉱物標本としてのみ評価される。
- オーストラリア :
- 青色が濃く、針状〜繊維状が明瞭な結晶が多い。歴史的には工業利用が中心であった。
- ボリビア :
- やや暗色で短繊維の個体が多い。流通量は少なく、研究・標本用途が主である。
- 中国 :
- 比較的小規模な鉱床で、細かい繊維集合体が産出する。市場価値は低い。
鉱物情報
硬度は中程度だが、繊維状結晶のため物理的刺激には注意が必要である。
- 組成
- Na₂Fe²⁺₃Fe³⁺₂Si₈O₂₂(OH)₂
- 比重
- 3.2〜3.4
- 硬度
- 6
- 結晶系
- 単斜晶系
- 透過性
- 不透明
繊維状集合体として産出するため基本的に不透明である。単繊維レベルでは半透明に見える場合がある。
- 蛍光性
- なし
短波UV・長波UVいずれの条件でも蛍光反応は確認されていない。
- 取り扱いの注意点
- 衝撃に弱い
- 化学薬品に弱い
特徴と由来
視覚的には美しい青色を持つが、取り扱いには専門的配慮が必要な鉱物である。
- 色
- 青
- 外観の特徴
- 絹糸のような光沢をもつ青色の繊維が平行に集合する。
- 生成環境/形成過程
- 鉄分に富む堆積岩や変成岩中で、角閃石として結晶化する。
- 発見/命名の由来
- ギリシャ語で「毛羽立った」を意味する語に由来し、繊維状外観を表している。
- チャクラとの関連
- 該当なし
- 誕生石
- 該当なし
- 星座石
- 該当なし
- 干支石
- 該当なし
- 希少性
鉱物自体は比較的知られているが、安全上の理由から流通は制限されている。
パワーストーンとしての効果
本図鑑ではパワーストーン用途がほとんどないため、特定の効果は記載していません。
- 期待する効果
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- 適した人や状況
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- 浄化方法
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- 相性の良い石
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歴史/伝承
クロシドライトは古代文明において宝石や護符として用いられた記録はほとんど残されていない。繊維状で加工に適さず、装飾石としての文化的背景は確認されていない鉱物である。
19世紀以降、産業革命の進展とともに耐熱性・耐薬品性に優れる素材として注目され、工業用石綿として大量に採掘された。特に南アフリカやオーストラリアでは、建材や断熱材として社会基盤を支えた存在であった。
しかし20世紀後半、健康被害との関連が明らかになると、その評価は一変した。クロシドライトは最も危険性の高い石綿の一種とされ、多くの国で使用が禁止された。
現代においてクロシドライトは、産業史と公衆衛生の教訓を象徴する鉱物として、博物館や研究標本の中で語り継がれている。