
カーネリアン紅玉髄
カーネリアンは赤やオレンジ色を特徴とする瑪瑙の一種です。古代から「勇気と勝利の石」とされ、指輪や護符として多くの文化で愛用されてきました。現在では積極性を高める石、成功や繁栄を呼び込む石としても人気があります。
基本情報
カーネリアンは産地ごとに色の濃淡が異なるが、特にインド産とウルグアイ産は高級品として扱われている。
- 正式名称
- Agate(アゲート)
- 和名
- 瑪瑙
- 英名
- Carnelian
- 別名/流通名
- 紅玉髄
- 主な産地
- インド :
- 古代からカーネリアンの主要な供給地で、赤やオレンジ色が濃く発色する高品質品が採掘され、古代メソポタミアやエジプトに輸出された。
- ブラジル :
- 現代最大の供給地の一つで、宝飾品や工芸品向けに安定して産出。赤みが鮮やかで大ぶりな結晶が多い。
- ウルグアイ :
- 濃い赤色のカーネリアンが産出し、ジュエリー用として評価が高い。
- マダガスカル :
- オレンジ色や明るい赤を帯びた個体が多く、観賞用・コレクターズアイテムとして人気。
鉱物情報
カーネリアンは硬度が高く日常使用に適しているが、強い熱や化学薬品には注意が必要である。
- 組成
- SiO₂(二酸化ケイ素)
- 比重
- 2.60〜2.65
- 硬度
- 7
- 結晶系
- 六方晶系
- 透過性
- 蛍光性
- 取り扱いの注意点
- 熱に弱い
- 化学薬品に弱い
特徴と由来
カーネリアンは赤やオレンジ色の美しい発色が特徴で、古代から装飾や護符に用いられてきた石である。
- 色
- 赤オレンジ茶
- 外観の特徴
- 半透明から不透明で、鮮やかな赤やオレンジ色を帯びる。均一な色合いのものから、わずかに縞模様を含むものまで存在する。
- 生成環境/形成過程
- 火山岩や堆積岩中に形成されるシリカ鉱物の一種で、鉄分を含むことで赤やオレンジの発色を示す。
- 発見/命名の由来
- ラテン語の「carnis(肉)」または「cornum(赤い果実の名)」に由来し、鮮やかな赤色を指す。
- チャクラとの関連
- 第2チャクラ(セイクラル/オレンジ)
- 誕生石
- 7月
- 星座石
- 牡羊座
- 干支石
- 戌
- 希少性
比較的多く産出するため希少性は低いが、色が均一で発色が美しいものは高く評価される。
歴史/伝承
古代エジプトでは、カーネリアンは「太陽の石」として崇められ、神官やファラオの装飾品や護符に広く用いられた。王墓からも多数のカーネリアン製ビーズや指輪が発見されている。特に女神イシスを象徴する石として、来世での再生を祈るために副葬品として重要視された。
古代ローマでは、カーネリアンは印章やシグネットリングに多用された。赤色は勇気と力の象徴とされ、戦士たちは戦場で身につけて勝利を願った。また、カーネリアンで刻まれた印章は「邪気を退ける」と信じられ、家系を守るシンボルとしても重用された。
中世ヨーロッパでは「説得力を高める石」とされ、雄弁術や指導者の石として用いられた。修道士や学者は講話や祈りの際にカーネリアンを手に取り、言葉の力を強めると信じた。
近代以降は、ビジネスや学業の成功を象徴する石として人気があり、現代でも「積極性と行動力を与える石」として世界中で親しまれている。
