
アメトリン紫黄水晶トリステインボリビアナイト
アメトリンは、アメジスト(紫水晶)とシトリン(黄水晶)が同一結晶内に共存する混合石です。紫と黄色の二色が美しく分かれる姿が特徴で、ひとつの石に二つの性質を併せ持つ特別な天然石として珍重されています。
基本情報
アメトリンはアメジストとシトリンが同じ結晶内で調和した混合石であり、特にボリビア産が世界的に高級品として評価されている。
- 正式名称
- Quartz(クォーツ)
- 和名
- 紫黄水晶
- 英名
- Ametrine
- 別名/流通名
- トリステイン、ボリビアナイト
- 主な産地
- ボリビア(アナイ鉱山) :
- 世界的な主要産地であり、ここで産出するアメトリンは透明度が高く紫と黄のコントラストが鮮やかである。特にボリビア産は「ボリビアナイト」としてブランド化され、国を代表する宝石のひとつとされている。
- ブラジル :
- 色の分離が不明瞭な場合が多く、ボリビア産に比べると市場評価は低い。
鉱物情報
アメジストとシトリンの両方の性質を持つクォーツであり、基本的な鉱物特性は同じ。紫色部分は紫外線や加熱で退色する場合があるため注意が必要である。
- 組成
- SiO₂
- 比重
- 2.65
- 硬度
- 7
- 結晶系
- 六方晶系
- 透過性
- 透明、半透明
高品質なボリビア産では完全に透明で、紫と黄が明瞭に分かれる。結晶内部の温度変化によって色の分布が決まるため、自然な色帯が見られる。
- 蛍光性
- 弱い(オレンジ、黄)
- 蛍光色
- オレンジ、黄
長波UV下で黄系部分がわずかにオレンジ色を示すことがあるが、紫部分には蛍光が見られない。
- 取り扱いの注意点
- 紫外線に弱い
- 熱に弱い
- 衝撃に弱い
特徴と由来
アメトリンは「二色の水晶」として珍重され、希少性と美しさから高級市場での人気が高い。
- 色
- 黄紫透明
- 外観の特徴
- 一つの結晶内で紫と黄が明確に分かれている。ファセットカットすると二色の輝きが美しく映える。
- 生成環境/形成過程
- 天然の放射線や温度条件の変化により、結晶の一部が紫色(アメジスト)に、別の部分が黄色(シトリン)に発色することで形成される。
- 発見/命名の由来
- 「アメトリン」は「Amethyst(アメジスト)」と「Citrine(シトリン)」を組み合わせた名称。ボリビアで最初に知られたため「ボリビアナイト」とも呼ばれる。
- チャクラとの関連
- 第3チャクラ(ソーラープレクサス/黄)、第6チャクラ(サードアイ/藍・紫)
- 誕生石
- 該当なし
- 星座石
- 双子座、射手座
- 干支石
- 午、亥
- 希少性
産地が限られ、色のコントラストが鮮明な良質品は特に希少で高級宝飾品として扱われる。
歴史/伝承
アメトリンは古くからボリビアの先住民に知られており、祭礼用やお守りとして大切にされていたと伝わる。紫と黄の二色が「精神と物質」「天と地」を象徴するものとして崇拝された。
17世紀、スペインの征服者たちによってヨーロッパにもたらされ、珍しい二色の水晶として王侯貴族の間で人気を博した。宝飾品に加工されたアメトリンは「富と知恵をもたらす石」として愛用されたと記録されている。
現代では、ボリビア政府がアナイ鉱山を国家的資源として管理しており、輸出は同国の重要な産業の一つとなっている。宝飾市場においても「ボリビア産アメトリン」はブランドとして確立され、高品質の象徴となっている。

