
アゲート瑪瑙
瑪瑙は縞模様を特徴とする石英グループの一種で、古代から装飾品や護符として広く利用されてきた天然石です。豊富な色彩と模様を持ち、世界各地で愛され続けています。
基本情報
瑪瑙は世界各地で産出するが、産地ごとに色彩や品質が異なる。特にブラジルやドイツのものは高級品として有名である。
- 正式名称
- Agate(アゲート)
- 和名
- 瑪瑙
- 英名
- Agate
- 別名/流通名
- -
- 主な産地
- ブラジル :
- 世界最大の産地で、数十センチに及ぶ大きなジオードが採掘される。色彩豊かで研磨品質も高く、高級品として扱われる。
- ウルグアイ :
- 濃い青や紫がかった色調を持つアゲートが多く、宝飾品として人気が高い。小粒でも色の発色が鮮やかで評価が高い。
- インド :
- 古代からビーズ細工に用いられ、赤色や褐色を帯びたアゲートが産出。歴史的に「カーネリアンビーズ」として広く交易された。
- ドイツ・アイダル=オーバーシュタイン :
- 中世以降、アゲート研磨の中心地として発展し、宝飾文化に大きな影響を与えた。現在もブランド的価値を持つ。
鉱物情報
瑪瑙は石英と同じ硬度を持つが、割れやすい部分もあるため取り扱いには注意が必要である。特に高温処理や薬品には弱い。
- 組成
- SiO₂(二酸化ケイ素)
- 比重
- 2.60〜2.65
- 硬度
- 7
- 結晶系
- 六方晶系
- 透過性
- 蛍光性
- 取り扱いの注意点
- 熱に弱い
- 衝撃に弱い
- 化学薬品に弱い
特徴と由来
瑪瑙は多彩な色と模様を持ち、古代から名が知られる石である。希少性は低いが、美しい模様のものは装飾品として高く評価される。
- 色
- 赤ピンクオレンジ黄緑青紫茶黒白透明
- 外観の特徴
- 縞模様や層状構造を持ち、半透明から不透明まで幅広い。バリエーションごとに模様が異なり、景色のような模様を示すものもある。
- 生成環境/形成過程
- 火山岩の空洞にシリカが沈殿し、層状に成長することで縞模様が形成される。長い時間をかけて複雑な模様ができあがる。
- 発見/命名の由来
- ギリシャの川「アカテス川(現シチリア島ディリーロ川)」で最初に発見されたことから名付けられた。
- チャクラとの関連
- 第1チャクラ(ルート/赤)
- 誕生石
- 5月
- 星座石
- 双子座
- 干支石
- 申
- 希少性
世界中で産出されるため希少性は低いが、特定の模様や色合いを持つ個体は希少価値が高い。
歴史/伝承
瑪瑙は古代メソポタミアにおいて、王族や神官が護符や装飾品として身に着けた石である。赤色のカーネリアンは太陽や血の象徴として用いられ、戦士は戦場で勝利を願って指輪に嵌めていた。
古代エジプトでは、ファラオの墓から多数のアゲート製ビーズが発見されている。これらは来世での守護を意味し、また冥界への安全な旅路を祈るための道具でもあった。
古代ギリシャやローマでは、カメオやインタリオの彫刻材として重宝された。模様を活かして神話の登場人物や守護神を刻むことで、身を守る護符として用いられた。
中世ヨーロッパでは、アゲートは「悪霊を追い払う石」として信じられ、教会や修道院では装飾と護符の両方の役割を担った。また、ドイツのアイダル=オーバーシュタインではアゲート加工産業が栄え、ヨーロッパ全土へ供給されることで文化に浸透した。
近代以降は宝飾品やカメオ、装飾工芸品に広く用いられ、現在も研磨や彫刻の題材として世界的に人気が高い。
バリエーション
同じ鉱物から生まれた、色や模様の異なる仲間の石です。



