
アデュラリアアデュラーリアアデュラー石
アデュラリアはオーソクレース(正長石)の低温型変種で、宝石質ムーンストーンの主要母体となる鉱物です。透明感と柔らかな光を持つ結晶は古くから神秘の石として珍重されてきました。
基本情報
アデュラリアは産地によって透明度や光の出方が大きく異なり、特にスリランカ産の透明結晶は宝石質ムーンストーンの母体として評価が高い。スイスの歴史的産地を含め、文化的価値も高い鉱物です。
- 正式名称
- アデュラリア
- 和名
- -
- 英名
- Adularia
- 別名/流通名
- アデュラーリア、アデュラー石
- 主な産地
- スリランカ :
- 宝石質ムーンストーンの主要母体として産出されることで有名。透明度が高く、青白いアデュラレッセンスを示す個体が多い。高級宝石の原石として扱われ、歴史的にも王侯貴族の間で尊ばれた。
- スイス(アルプス山脈) :
- アデュラリアという名称はスイス・アデュラ山脈(Adula Alps)に由来し、古くから美しい結晶が採れた。山岳文化に根付いた装飾石として歴史的価値が高い。
- ミャンマー :
- 半透明〜乳白の結晶が多く、ムーンストーン品質の母体として産出。彫刻やビーズ加工に利用される中〜大型結晶が豊富。
- マダガスカル・タンザニア :
- 乳白色のアデュラリアが多く、宝石質ではないが標本として人気。比較的産出量は多い。
- インド :
- 乳白質の結晶が主流。アデュラレッセンスは弱めだが、工芸用途・アクセサリー素材として広く使用されている。
鉱物情報
アデュラリアはオーソクレースの低温型結晶で、光学効果の「アデュラレッセンス」が宝石ムーンストーンの基盤となる。硬度が6と低めであるため、傷や衝撃に注意が必要です。
- 組成
- KAlSi₃O₈
- 比重
- 2.54〜2.60
- 硬度
- 6
- 結晶系
- 単斜晶系
- 透過性
- 透明、半透明
宝石質は透明〜半透明で、乳白質になるほど光学効果は弱くなる。産地によって透明度が大きく異なる。
- 蛍光性
- 弱い(白)
長波UVで淡い白色に弱く蛍光することがあるが、ムーンストーンの光は蛍光ではなく干渉光(アデュラレッセンス)による。
- 取り扱いの注意点
- 衝撃に弱い
- 熱に弱い
- 化学薬品に弱い
特徴と由来
アデュラリアは正長石の中でも特に透明度が高く、ムーンストーンの光の源となる重要な鉱物です。産地ごとの結晶の違いが明確で、宝石・標本の両面で価値があります。
- 色
- 透明白灰
- 外観の特徴
- 透明〜半透明の白系結晶で、内部構造によって柔らかな光を返す。良質個体では青みがかった光を示し、ムーンストーンの光学効果の源となる。
- 生成環境/形成過程
- オーソクレース(正長石)が低温環境で構造変化を起こし、アデュラリアとして再結晶化する。アルバイトとの微細混晶が生じるとムーンストーンの光学効果が発生する。
- 発見/命名の由来
- スイスのアデュラ山脈(Adula Alps)で美しい結晶が採れたことから命名された。
- チャクラとの関連
- 第7チャクラ(クラウン/紫・白・透明)
- 誕生石
- 該当なし
- 星座石
- 該当なし
- 干支石
- 該当なし
- 希少性
乳白質のアデュラリアは比較的流通するが、透明度の高い宝石質個体や青い光を示すものは希少で高級品として扱われる。
歴史/伝承
アデュラリアは古代ヨーロッパで「月光の宿る石」として神秘視され、儀式の道具や護符に用いられていた。透明度の高い結晶は神官が神託を得る際に用いたと記録されており、人々はその内側に漂う青白い光を神聖な兆しと捉えていた。
スイス・アルプスでは山岳信仰とともに語り継がれ、アデュラリアの結晶は“山の霊が宿る石”とされて登山者の護符に使われてきた。地元の山岳文化では、美しい結晶は自然からの祝福の象徴とされ大切に扱われた。
近代に入り、アデュラリアが宝石ムーンストーンの母体であることが明らかになると、鉱物学・宝石学の両面で研究が進み、その名が再び注目を集めた。特にスリランカ産の透明なアデュラリアは宝石文化において重要な位置を占め続けている。
